2023 年 22 巻 2 号 p. 233-238
滋賀県南部では近年、駅周辺地域への都市集積が進んでいるが、その実態は各市の都市形成・都市計画によって異なる。本研究では、滋賀県野洲・守山を対象にJR駅周辺の徒歩圏域における商業・医療福祉・公共施設の立地特性と都市構造・都市計画との関係を明らかにする。1km圏内の施設立地分析では、小売業で施設数の減少が進む一方、サービス業や福祉系で施設の増加がみられた。また、地区計画等の都市計画により市街地整備が進むエリアもみられた。1km圏内外の分析では、市街化区域が狭い野洲では中心拠点の駅周辺の施設集中が高い一方、幹線道路を中心に発展した守山では駅周辺に施設が集中していない等、都市構造・都市形成による施設立地への影響が捉えられた。