2023 年 22 巻 2 号 p. 364-367
本研究では,近世初期を景観年代とする風俗画に描かれた通り,境内,水辺における人々の活動に関する分析を通して,近世京都の都市空間と人の活動の関係性を明らかにした.近世京都では,通り,寺社,水辺などの都市空間において,地域ごとに特色のある多様な活動が盛んに行われていたことが明らかになった.特に道空間は,運搬・運送だけでなく,行商や見世物などの交流・滞留の場として利用されていたことが明らかとなった.水辺や寺社などの名所では,特有の文化が周辺の活動や商品等に現れていたことが明らかになった.