2024 年 22 巻 4 号 p. 665-669
本稿では、ニュージーランド・カンタベリー地震でレッドゾーンに指定され、その区域内の再生を図るための計画である「オタカロ・エイボン川回廊再生計画」を事例として、レッドゾーン区域内での土地の再生戦略について報告するとともに、災害による居住禁止区域内での土地の利活用のあり方について考察した。 その結果、災害による居住禁止区域内での土地の再生戦略として、1)市民との対話を重視して計画が策定されたこと、2)国土全体への波及効果も目指していること、3)震災の経験を踏まえた国際的な研究を推進すること、4)国有地の暫定利用を奨励していること、5)ビジョンを達成するための道筋を段階的に描いていること、の5点が重要であることが示唆された。