2024 年 22 巻 4 号 p. 793-795
食料危機や社会的孤立・孤独の問題が深刻となるなか、エディブルシティが地域で持続可能な食料システムを構築しながら、コミュニティを活性化し社会的結束を強める都市像として注目されている。本報告では、「エディブルガーデンシティ」を目指すニュージーランドのクライストチャーチ市の施策の内容と現状を紹介する。文献資料から家庭菜園やコミュニティガーデン、食料採集、エディブルパーク、学校菜園、ファーマーズマーケットが推進されていることがわかった。さらにフィールドでコミュニティガーデンやフードフォレスト、レッドゾーン内の果樹の様子を探索的に調査した結果、公共の場所での食料生産と採集が実際に行われており、包摂的なコミュニティも育まれていることがわかった。