2024 年 22 巻 4 号 p. 787-792
本稿は,クライストチャーチを拠点に活動する社会的企業のギャップフィラーを対象に,クリエイティブ・プレイスメイキングの挑戦と軌跡を,海外都市計画交流会でのヒアリング調査や現地調査により把握した.その結果,2010年から2011年に発生したカンタベリー地震からの復興過程に応じて,人々とその場所を結び付ける実験的で魅力的なプロジェクトを企画・運営するギャップフィラーの活動内容が多様化している一方,一貫してオープンで市民参加型の仮設的・暫定的な活動を行い,街の復興への人々の積極的な関与と新しい街の再構築のきっかけを先導的に提供していることを明らかにした.また,その根底には,創造性,遊び心,そして,市民的想像力に着目したアプローチが共通して存在しており,近年は「遊びの力」の活用に注目して,都市の可能性を実現するために挑戦していることを明らかにした.