大規模再開発事業による人口や人口密度、世帯数の推移、また代表的な地域コミュニティである町会の状況の推移から、大規模再開発の地域コミュニティへのインパクトを、本研究は月島三丁目地区を対象として明らかにし、さらに新たな地域コミュニティ形成への留意点、これからの市街地再開発事業制度のあり方について考察することを目的とする。結論として、2つの大規模再開発事業によって、地域コミュニティの状況が大きく変化したことを明らかにし、大規模な再開発が短期間に集中するような事態は避けなければならないこと、また地区としての計画の妥当性を検討でき、かつ持続可能性と縮減社会の到来を見据えた市街地再開発事業制度の見直しが喫緊の課題であることを論じた。