2024 年 23 巻 2 号 p. 221-
我が国では、戦後から東京圏への人口増加が続いている。こうした中、新型コロナウイルス感染症の流行により2020年に緊急事態宣言が発令され、都市部を中心に一時的に在宅勤務が推奨された。これにより、在宅勤務者の数は新型コロナウイルス感染症の流行以前と比べて大幅に増加し、また同時期に東京区部への人口集中の傾向が弱まったことが確認された。そこで本研究では、在宅勤務の普及が東京区部外への転居を促すと仮定する。そこで、パーソントリップ調査を用いて、首都圏とそれ以外の都市における在宅勤務者の生活利便性を比較する。その結果をもとに、在宅勤務者の生活環境を効率的に改善し、郊外への定住を促進するために、各都市で不足している都市機能を検討する。