2025 年 23 巻 4 号 p. 456-
本研究は、利用者個人の感情がプラスに作用した状態を「快適」と位置付けたうえで、東京都心部でのアンケート調査の結果を用いて来訪者が都市緑地の快適性をどのように捉えているかを具体的な事項として調査し、今後の都市緑地のあり方を議論するための情報を提供することを目的としている。結論として、快適性を都市緑地の利用者個人の感情がプラスに作用した状態とした場合には、「緑の豊かさ」は前提としながら、「感じる」カテゴリーに分類される感覚的な評価対象である空間の質の要素が大きく影響している可能性があることが分かった。加えて、そこに「過ごす」、「つながる」カテゴリーの要素が用意されることで、さらに快適性向上の可能性がある。