2025 年 24 巻 1 号 p. 105-111
本研究は、タイ・チェンマイ県の中核都市メーヒアで実施された革新的な都市ビジョニングワークショップについて報告する。このワークショップでは、LEGO®シリアスプレイ®(LSP)と未来世代想像(IFG)の概念を統合し、40 名の多様なステークホルダーが過去、現在、未来の都市シナリオを協働で構築した。未来世代の視点から持続可能な未来を構想する慎重に設計された構築プロンプトを用いて、従来の聞き取り型計画手法を超える新しい「触覚的未来対話ロジック」を導入した。このアプローチは、従来の計画プロセスで見過ごされる声を可視化し、階層を超えた対話を可能にする。従来の計画会議との比較分析では、参加者の関与度が 30%から 75%に向上し、時間的志向が短期集中から長期ビジョン(20年以上)へと転換した。この手法は、アジア中核都市が直面する高齢化、環境変化、文化的継続性などの複雑な課題に対処する実用的可能性を提供し、市民中心の文脈構築型都市計画を求める政策立案者や実務者にとって貴重な知見を提供している。