2025 年 24 巻 1 号 p. 176-181
本研究では、静岡県伊豆の国市で実施された、未利用屋外空間を活用し人々の滞留や回遊行動を促進するウォーカブル社会実験『ほっといずなか』の調査分析を通じて、複数の滞留空間の同時創出による賑わい創出を図る社会実験の成果を検証し、今後の課題を明らかにすることを目的とする。社会実験では、3日間で134人が参加し、約8割の参加者が5つの滞留空間のすべてを訪れるという高い回遊率を達成した。スタンプラリーは効果的に回遊を促す一方で、滞在時間は短く、指定されたエリア以外への訪問は限定的であった。本研究により、多くの人を巻き込み、まちなかの回遊を促進し、地域の活性化を図る上で、場所特性に応じた計画、環境の快適性、周辺施設との連携が重要であることが明らかになった。