2025 年 24 巻 1 号 p. 182-188
本報告では、近年注目され社会実装されつつあるビジネス・インテリジェンス(以下、BI)ツールに注目した。特に景観まちづくりにおけるBIツールの可能性を見出すべく、機械学習を介した景観エレメントの収集システムの構築を前提とした同システムの有用性について検討することを目的とした。その結果、BIツールによる情報収集は、複数の分析ツールを架橋するとともに、特に可視化の面で有効であることが示唆された。特に本報告で適用した機械学習による物体検出結果は、Cropされた膨大な画像群で構成されるため、得られた結果を明瞭に分類整理する枠組みが必要である。よって、瞬時にデータ格納できるBIツールとの連動は、一連の画像収集システムづくりに不可欠な仕組みと思われる。その一方で、分析結果の可視化の段階で、データ保存の調整に多くの時間をさくなどの支障もあった。今後は、こうした個々の課題を抽出しながら、より良いシステムとして改善を試み、景観研究の社会実装に資する取り組みを推進していきたい。