2025 年 24 巻 1 号 p. 19-23
世界中の都市で導入が進んでいるシェアサイクルは、従来の自転車利用と異なり片道や短距離での利用、他の公共交通手段との組み合わせが可能である一方で、そのような利用法に関する研究は限られている。本研究では、公共交通オープンデータチャレンジのデータを利用し、東京圏における鉄道と自転車を組み合わせたルートの提示や到達圏の可視化、ネットワーク分析の手法を用いたサイクルポテンシャルの表示を行うウェブベースのアプリケーション「急がば漕げマップ 」を制作した。これを通じて、事業者・自治体担当者を念頭に自転車利用の潜在的需要を明らかにするとともに、利用者に対して鉄道網に基づく空間認識への働きかけやルートの提示を通じた交通行動の変容を試みたものである。