2025 年 24 巻 2 号 p. 337-343
まちづくりに関わる人々が減少しているため、市民の主体性を高めていく必要がある。その中で、公共空間の活用は、より幅広い市民がまちづくりに参加すること促す手段になりえると考えられる。本研究では、東京都小金井市で実施された社会実験「小金井リビング」における来場者および出展者への調査をもとに、空地を活用した賑わいづくりにおける市民の主体意識の醸成と市民による空地活用の可能性を検証することを目的とした。第1回社会実験では、来場者の主体性が低いことが示された。第2回社会実験では、イベントの趣旨理解が意欲を高めること、友人と共に出展したいと考える人が多いことが明らかになった。第3回社会実験では、来場者が一時的に主体を担うことで、主体者意識の醸成に効果的であることが分かった。また、出展者は来場者との交流を重視していることが明らかになった。