2025 年 24 巻 3 号 p. 439-446
オールドニュータウンは、地区計画などの建築規制による住環境を保全する仕組みが評価されてきた。しかし、その規制が住宅価格を押し上げ、若年齢層の新規の居住を妨げる要因となった。一方、建築規制が緩い隣接する既成市街地では、多様な住宅の建て方が供給されるなど若年齢層の居住が促進されてきた。本研究では、オールドニュータウンの再生を模索するため、隣接する既成市街地の住民を対象に、オールドニュータウンへの意識を調査した。その結果、既成市街地の住民は、オールドニュータウンに特に魅力は感じておらず、むしろ、居住地として選択しないという意識が強かった。その理由は、オールドニュータウンが抱える課題と合致し、その再生のための方策が示唆された。