この研究の目的は、中心市街地のにぎわい創出に向けた知見を得るべく、歩行者デッキで行われる定期市の来場者の発話や対話を調査し、その特徴を明らかにすることである。滋賀県大津市の中心市街地で開催された朝市の来場者176人の行動を追跡調査した。1)72人、222件の発話は全て店員に対するもので、87件が対話へ発展した。2)商品に対する質問が対話へ発展しやすい傾向があった。3)会場に10分以上滞在した場合や会場全体を歩き回った場合に発話と対話が増す。4)商品や店員に対する来場者の行動や、店員からの声かけが発話のきっかけとなった。調査結果を元に、定期市における発話や対話の機会を増すための課題について考察した。