本研究の目的は、大手民間鉄道事業者による少子高齢化社会における地域価値向上に向けたいくつかの取り組みを事例として取り上げることで、民間事業者による地域価値向上の可能性と課題を明らかにすることである。中期経営計画の調査や、大手民間鉄道事業者に対するアンケート、インタビューを行った結果、これらの取り組みは地域のまちづくりに影響を及ぼすと共に、事業者に二次的な利益をもたらし、「現在行われている取り組みが地域に与える効果の評価」と「長期的に見たビジネスモデルの検証」、そして「行政と事業者との協力体制の構築」が必要であると考察した。