本研究の目的は低成長型社会の荒廃地において経済優先開発に代わる新たな再生手法を明確にする事である。本研究ではイギリスの近年の荒廃地再生の取り組みである持続管理志向型開発に着目し、それに至る経緯や推進体制、具体的手法について調査し示唆を得る事で、我が国の今後の荒廃地再生へのあり方についての考察を進めた。新たな再生手法は維持管理に重点を置き、地域コミュニティとの協働を図りながら、土地の生態系の修復を行うものであり、これにより地域社会の再生と共に、土地の再荒廃の防止を図っている。また、この推進のためには、国、地方自治体、地域コミュニティ等の役割が明確に分担されながらも各取り組みが関連し合う複合的な推進体制を整えることが必要であるという結論に至った。