2010 年 9 巻 1 号 p. 23-26
歴史的特性を生かした町並みの貴重性が高まっており、全国各地で町並みの保全継承のための取組みが進められているが、現実的には様々な要因で町並みが喪失している。静岡県掛川市横須賀地区では、横須賀町道に沿って歴史的な町並みが保全継承されている。この要因を探ると、地区住民の神様に対する絶大な崇敬心があり、これにより継承されている三熊野神社等の祭礼が大きな影響を与えている。また、近年は、この町並みを生かして様々なまちづくりの活動が展開されており、これらも注目すべき点である。本論では、横須賀町道の町並みと祭礼との関係を明らかにするとともに、保全継承されてきた要因と町並みを生かしたまちづくり活動の展開について整理し、近年抱える課題への対応策を考察する。