抄録
常に医療管理を必要とする重症児のPTは, 日常生活管理への積極的な参加なくして成立しない。生活場面で日常化しているその児特有の問題点の把握, 神経発達学的評価, 生命維持を主としたDoctor評価, これらの総合的な評価・方針に基づき, 治療(ハンドリング)と日常生活管理が実現する。呼吸器系への対応は, 気道確保と換気促進の為の頭部・体幹コントロールの改善が主となる。具体的には, 姿勢適応能力の改善と積極的な姿勢保持用具(腹臥位, 膝立位, 側臥位等の保持具)の活用となる。後者は体幹装具としての普及が望まれる。呼吸機能の客観的評価として, 呼吸曲線と動脈血酸素飽和度SaO_2の測定が有効な一手段である。2症例報告する。