理学療法学
Online ISSN : 2189-602X
Print ISSN : 0289-3770
ISSN-L : 0289-3770
早期公開論文
早期公開論文の36件中1~36を表示しています
  • 小岩 雄大, 根本 慎司, 笠原 酉介, 武市 尚也, 渡辺 敏, 木田 圭亮, 明石 嘉浩
    原稿種別: 研究論文(原著)
    論文ID: 11840
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/11/26
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】心不全患者の入院早期に得られる身体機能から退院時日常生活動作(以下,ADL)の低下を予測すること。【方法】入院前のADL が自立していた心不全患者96 例を対象とした。身体機能としてModified functional reach test(以下,M-FRT)および座面高30 cm からの立ち上がりの可否を入院早期に測定した。また退院時のADL の指標としてKatz index を評価し,退院時ADL の低下を予測するモデル式を作成した。【結果】多重ロジスティック回帰分析の結果,M-FRT と座面高30 cm からの立ち上がりの可否を構成因子とした退院時ADL の低下を予測するモデル式が得られた(感度91.7%,特異度86.9%,曲線下面積0.925,p<0.05)。【結論】入院早期に得られる身体機能から退院時ADL の低下を予測するモデル式が得られた。

  • 仲井 佳祐, 森沢 知之, 大塚 翔太, 内藤 喜隆, 松尾 知洋, 石原 広大, 平岡 有努
    原稿種別: 研究論文(原著)
    論文ID: 11821
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/11/25
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】高齢心臓手術後患者のリハビリテーション(以下,リハビリ)遅延が退院1 年後の予後に及ぼす影響を検討すること。【方法】65 歳以上で待機的に冠動脈バイパス術(以下,CABG),弁膜症手術および複合手術(CABG +弁膜症手術)を受けたうち58 例(平均年齢73.8 歳)を解析対象者とした。術後100 m 歩行自立日数が5 日以内を「早期群」,6 日以上を「遅延群」と分類し周術期,術後データ,退院1 年後の予後を比較検討した。【結果】遅延群の割合は41% で手術時間,麻酔時間,人工呼吸器挿管時間が長く術後のリハビリ進行が遅延した。しかしリハビリ総実施時間が長く退院時のSPPB は術前値と同等まで回復し退院1 年後の死亡率,再入院率,生活機能は両群で有意な差が認められなかった。【結論】高齢心臓手術後患者の術後リハビリ進行が遅延しても入院期に身体機能が十分に回復すれば退院1 年後の死亡率や再入院率,生活機能に影響が少ない可能性が示唆された。

  • 神 将文, 阿部 浩明, 遠藤 英徳, 藤村 幹
    原稿種別: 研究論文(原著)
    論文ID: 11843
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/11/24
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】本研究の目的は,皮質脊髄路(以下,CST)近傍に病変を有する脳卒中片麻痺者におけるCST および皮質網様体路(以下,CRT)損傷の程度と急性期病院転院時の歩行自立度の予後との関連について明らかにすることである。【方法】対象は,拡散テンソル画像(以下,DTI)の撮像がなされた脳卒中片麻痺者41 名であった。急性期病院退(転)院時のFAC から歩行可能/介助の2 群に分類した。初回評価時のSIAS の各項目と撮像したDTI パラメータからCST およびCRT 損傷の程度を測定し,歩行可能/介助を予測する因子をロジスティック回帰分析にて検討した。【結果】初回評価時のSIAS 股関節運動機能が急性期病院転院時の歩行可能/介助を予測する有意な因子であった。一方,歩行能力にかかわるとされているCRT は歩行予後を予測する有意な因子とはならなかった。【結論】急性期病院転院時の歩行予後を予測するうえで,下肢運動機能はCRT 損傷の程度よりも重要な因子であると考えられる。

  • ─シングルケースによる検討─
    長岡 孝則, 富樫 拓也, 栗田 宜享, 殿塚 実里
    原稿種別: 症例報告
    論文ID: 11800
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/11/21
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】多巣性後天性脱髄性感覚運動型慢性炎症性脱髄性多発神経炎(以下,MADSAM)により感覚性運動失調を呈した症例に対する,バランスおよび歩行機能改善に向けた理学療法経過を報告する。【対象と方法】症例は40 歳台の女性である。入院時は自立歩行が困難であったが,下肢の運動神経脱髄所見は軽度であり,筋活動に伴う固有受容感覚を重視した体性感覚フィードバックが有効と考え,動作課題を中心とした運動療法を立案した。下肢の活動誘発性脱力に留意し,CR–10 を用いて負荷量の設定を行った。【結果】およそ3 ヵ月後,感覚障害に変化はなかったが,立位バランスと歩行機能の改善を認め,自宅へ退院となった。【結論】感覚性運動失調を呈するMADSAM 患者への理学療法では,姿勢制御にかかわる複数の感覚モダリティに着目した運動療法と,CR–10 に基づいた負荷量や頻度の調整が有効であると考えられた。

  • ─ランダム化比較試験による検証─
    髙橋 遼, 田中 友也, 美﨑 定也, 杉本 和隆
    原稿種別: 研究論文(原著)
    論文ID: 11851
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/11/20
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】人工膝関節全置換術(以下,TKA)後の深部静脈血栓症(以下,DVT)に対する予防が重要である。しかし,DVT の理学的予防法の報告は限られている。本研究の目的は,TKA 後のDVT 予防に対する当日理学療法の効果を検証することとした。【方法】研究デザインは,性にて層別化したランダム化比較試験とした。当院で初回TKA を受けた440 名の患者のうち,適格基準を満たした84 名がPT ケア群と対照群に割りつけられた。PT ケア群は,術後当日に下肢挙上位にて下腿マッサージおよび足関節他動的底背屈運動を同時に実施した。メインアウトカムは,術後翌日のDVT 発生割合とした。【結果】術後翌日DVT の発生割合は,PT ケア群11.9%(5/42 名),対照群40.5%(17/42 名)となり,PT ケア群のほうが有意に減少した(リスク比0.29,p=0.003)。【結論】TKA の術後当日理学療法は,DVT 予防に有効であることが示唆された。

  • ─モザンビーク共和国での国際緊急援助隊医療チームの活動を通して─
    水家 健太郎, 佐藤 栄一, 米田 哲, 草間 薫, 高以良 仁, 冨岡 譲二
    原稿種別: 実践報告
    論文ID: 11836
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/11/19
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】災害時の緊急医療支援において,リハビリテーションは重要である。しかし,それに携わる人材は少なく,特に外国での活動に関しては報告も限られる。本論文ではモザンビーク共和国での経験を実践報告として報告する。【内容】サイクロン災害の概要,派遣までの経緯,現地での経験や,そこから見えてきた課題を共有する。【症例】リハビリテーション対象患者に対して,移動手段の獲得,疾病や障害の予防,患者教育などがなされた。各症例には「持続可能性」「コミュニケーション」「適正技術」等の国際協力におけるキーポイントが含まれる。【結語】緊急医療支援におけるリハビリテーションは発展途上であり,今回の派遣でいくつかの課題を持ち帰った。今後の発展のためには多くのリハビリテーション専門職の知恵や技術が必要である。

  • 本間 敬喬, 本田 陽亮, 梅田 幸嗣, 笹沼 直樹, 内山 侑紀, 児玉 典彦, 道免 和久
    原稿種別: 症例報告
    論文ID: 11874
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/11/18
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】TAFRO 症候群患者に対して,運動様式と負荷について着目した理学療法を実施し,自宅退院に至ったので報告する。【症例】症例は70代女性で炎症反応高値,血小板減少,呼吸苦を主訴に救急搬送された。投薬治療開始までは臥床状態が続いたが,投薬開始に合わせて徐々に体重減少や血小板値改善を認め,離床を開始した。【方法】体重や血小板を指標とし,有酸素運動と無負荷の高速度抵抗運動を実施した。【経過】理学療法は入院翌日から開始し,上記方法にて運動介入を実施した。入院59 日目には病棟内歩行が自立し,入院72 日目には300 m 連続歩行が可能になり,自宅退院となった。【結語】本疾患は疾患概念が比較的新しく理学療法に関する報告はない。そのため疾患特異的な血小板数や体重を指標とし,運動療法介入を実施し,有害事象なく自宅退院が可能であった。

  • 横田 純一, 髙橋 蓮, 松川 祐子, 松島 圭亮
    原稿種別: 研究論文(原著)
    論文ID: 11902
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/11/16
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】60 歳以上の高齢心不全患者における自宅退院の予測因子をリハビリテーション(以下,リハ)開始時および退院時のパラメータから明らかにする。【方法】急性期病院に心不全急性増悪で入院した患者305 例を,自宅群242 例と非自宅群63 例に分け,入院時および退院時の身体機能を比較した。また,自宅退院の予測因子およびカットオフ値を検討した。【結果】自宅群では,リハ開始時および退院時の膝伸展筋力,Short Physical Performance Battery(以下,SPPB),Barthel Index(以下,BI)は非自宅群よりも有意に高値であった。自宅退院の予測因子およびカットオフ値は,リハ開始時の膝伸展筋力(≥12.1 kg)とSPPB(3/4 点),退院時BI(≥80 点)であった。【結論】本結果は,自宅退院困難が予測される高齢心不全患者の抽出および自宅退院をめざしたゴール設定に寄与する可能性がある。

  • ─立位および四つ這い位での脊椎可動域に着目して─
    友成 健, 後藤 強, 佐藤 紀, 大澤 俊文, 後東 知宏, 西良 浩一, 加藤 真介
    原稿種別: 研究論文(原著)
    論文ID: 11812
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/11/02
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】本研究の目的は,末期変形性股関節症(以下,股OA)患者の脊椎アライメントおよび脊椎可動域を明らかにすることである。【方法】末期変形性股関節症患者11 名(以下,OA 群)と健常高齢者16名(以下,対照群)を対象とした。測定項目としてspinal mouse® を用い,立位での静的な脊椎アライメントの比較および,立位および四つ這い位での動的な脊椎可動域を測定した。【結果】立位による胸腰椎の脊椎アライメントは両群間に有意差は認めなかった。立位および四つ這い位におけるOA 群の腰椎可動域は,対照群と比較して有意な減少を認めたが,胸椎可動域は有意差を認めなかった。【結論】末期股OA 患者は静的な胸腰椎アライメントは健常高齢者と差を認めないが,動的な腰椎可動域に関しては減少することが示唆された。

  • 松﨑 英章, 齊藤 貴文, 楢﨑 兼司, 熊谷 秋三
    原稿種別: 研究論文(原著)
    論文ID: 11804
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/10/20
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】地域在住自立高齢者を対象にバランス機能で層別し,客観的に評価した中高強度身体活動と2 年後の転倒発生リスクの関連性を検討した。【方法】地域在住自立高齢者602 名を対象とし,ベースラインにおける開眼片脚立位時間を用いて層別した。三軸加速度センサー内蔵活動量計を用いて,中高強度身体活動時間,歩行活動時間,生活活動時間を測定した。アウトカムは,2 年後のフォローアップ調査における過去1 年間の転倒発生の有無とした。【結果】開眼片脚立位高値群では,中高強度身体活動時間の中間値群で転倒発生リスクがもっとも低くなる結果を認めた。開眼片脚立位低値群では,各身体活動指標の最低値群に比較して,中高強度身体活動時間の中間値群と最高値群および歩行活動時間の最高値群で有意に高い転倒発生リスクを認めた。【結論】地域在住自立高齢者における中高強度身体活動と転倒発生リスクの関連性は,バランス機能によって異なることが示唆された。

  • ─生活活動範囲に着目して─
    佐藤 衛, 佐藤 雅昭, 川口 徹
    原稿種別: 研究論文(原著)
    論文ID: 11814
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/10/19
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】在宅障害高齢者の生活活動範囲の差異に影響を及ぼす身体,精神要因を明らかにすること。【方法】在宅障害高齢者61 名を対象とした。評価項目は,Home-based Life Space Assessment と握力,大腿四頭筋筋力,Timed-Up and Go test(以下,TUG),片脚立位時間,Activities of Daily Living(以下,ADL),日常生活動作効力感尺度,うつ尺度,主観的健康観とした。補助具の使用を可として到達した最大活動範囲で自宅敷地内群,自宅敷地外群の2 群に分類し,身体,精神要因の差を検討した。【結果】自宅敷地外群は自宅敷地内群に比べ,有意にTUG が速く,ADL,日常生活動作効力感尺度が高かった。【結論】在宅障害高齢者の生活活動範囲の差異には,歩行やバランス能力を含めたパフォーマンス,日常生活活動とその自信度が影響していた。

  • 伊藤 真也, 温品 悠一
    原稿種別: 症例報告
    論文ID: 11863
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/10/16
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19)による重症肺炎にて体外式膜型人工肺療法(以下,ECMO)を導入された症例に対して理学療法を行い,歩行獲得まで至る経過を得たので報告する。【症例紹介】71 歳男性,COVID-19 による肺炎にて入院後急激に症状が増悪し,人工呼吸器管理に加えてECMO 導入。気管切開施行後,第10 病日に理学療法開始となった。【経過】導入後深鎮静管理中は関節可動域練習,体位交換,体位ドレナージを実施し,鎮静終了後はECMO 管理下にて端座位練習を行い,呼吸法指導・骨格筋トレーニング・起居動作練習・歩行練習を実施した。最終的には自立歩行が可能となり自宅退院の転帰を得た。【まとめ】感染防護を確実に行いECMO 管理下COVID-19 症例に有害事象なく理学療法が提供できた。今後はよりCOVID-19 症例に対する安全で効果的な理学療法を検討する必要がある。

  • ─多施設共同前向きコホート研究─
    佐藤 博文, 大川 信介, 欠端 伶奈, 高山 明日香, 大熊 克信, 額田 俊介, 藤野 雄次, 深田 和浩, 三木 啓嗣, 小林 陽平, ...
    原稿種別: 研究論文(原著)
    論文ID: 11700
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/10/15
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】本研究の目的は急性期脳梗塞者を対象とし,退院時の基本動作能力に影響を与える因子を検討することである。【方法】本研究は多施設共同研究として実施した。年齢や病前の生活状況等の基本情報,リハビリテーション進行状況,National Institutes of Health Stroke Scale(以下,NIHSS)等の神経学的評価や日常生活動作能力について調査し,退院時Ability for Basic Movement Scale(以下,ABMS Ⅱ)に影響を与える因子を調査した。【結果】259 名を解析対象とした。退院時ABMS Ⅱには初回NIHSS,離床時Scale for Contraversive Pushing,意識障害の有無,再梗塞の有無,出血性梗塞の有無,病前modified Rankin Scale が関与した。【結論】急性期脳梗塞者の基本動作能力は,神経学的障害や脳梗塞再発に影響されることが判明した。

  • 荻原 啓文, 加茂 智彦, 田中 亮造, 加藤 巧, 遠藤 まゆみ, 角田 玲子, 伏木 宏彰
    原稿種別: 症例報告
    論文ID: 11850
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/10/08
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】右小脳・脳幹梗塞による中枢性めまいと両側前庭障害を合併した症例に対する前庭リハビリテーションの効果を検討した。【方法】症例は40 歳代男性,めまい・ふらつきの改善を目的として当院を受診した。頭頸部の運動を伴う身体運動によってめまいやふらつきが生じ仕事復帰が困難な状況であった。理学療法士による前庭リハビリテーションと運動指導を実施した。【結果】Dizziness Handicap Inventory (DHI)_Functional,Dynamic Gait Index (DGI),Functional Gait Assessment (FGA) に改善が認められた。【結論】脳血管障害から中枢性めまいを呈した症例に対する前庭リハビリテーションは歩行能力やバランス能力,ADL の改善に有効な可能性があることが示唆された。

  • 宮城 陽平, 曽田 幸一朗, 笹沼 直樹, 内山 侑紀, 児玉 典彦, 道免 和久
    原稿種別: 症例報告
    論文ID: 11813
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/10/07
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】後天性免疫不全症候群(以下,AIDS)を呈し,治療中に全身性筋力低下を生じた症例に対する理学療法を経験した。免疫能低下および低栄養に留意し,良好な結果を得たため報告する。【方法】症例はAIDS 治療目的に入院した50 歳代男性。前医でのニューモスチシスカリニ肺炎(PCP)治療中の長期臥床や低栄養に伴う二次性サルコペニアにより全身性に筋力低下が生じ基本動作は全介助だった。第17 病日よりCD4 陽性T リンパ球(以下,CD4 値)200/mm3 を超えた時点から低負荷での介入を行った。【経過】免疫能および栄養状態の増悪なく筋力改善が得られ,第81 病日に独歩で自宅退院した。【結論】全身性に筋力低下を生じたAIDS 患者に対し,免疫能および低栄養の増悪のないよう包括的な介入を行った。運動療法ではリカンベント式エルゴメータを用いた低負荷運動により,CD4 値の低下なく筋力改善および基本動作改善が得られた。

  • ─決定木分析を用いた検討─
    川端 悠士, 木村 光浩
    原稿種別: 研究論文(原著)
    論文ID: 11859
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/10/06
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】人工股関節全置換術例の術後3 週における靴下着脱動作獲得に影響を与える要因を明らかにすること。【方法】対象は後方アプローチによる人工股関節全置換術を施行した115 例とした。調査項目は性別,年齢,関節可動域(股関節屈曲・伸展・内転・外転・外旋,膝関節屈曲,胸椎屈曲,腰椎屈曲),股関節屈曲・開排位における靴下着脱動作の可否とした。従属変数を靴下着脱動作の可否,独立変数を関節可動域として,決定木分析を行った。【結果】決定木分析の結果,靴下着脱動作獲得に影響を与える要因として,股関節屈曲・外旋可動域,胸椎屈曲可動域が抽出された。また股関節屈曲可動域が不良であっても,股関節外旋可動域および胸椎屈曲可動域が良好であれば,高い確率で靴下着脱動作が可能となることが明らかとなった。【結論】人工股関節全置換術後早期の靴下着脱動作獲得には,股関節屈曲・外旋可動域,胸椎屈曲可動域の改善が重要である。

  • 前田 拓也, 上出 直人, 戸﨑 精, 柴 喜崇, 坂本 美喜
    原稿種別: 研究論文(原著)
    論文ID: 11796
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/10/05
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】本研究は地域在住高齢者の呼吸機能に対する運動機能,認知機能,体組成との関連性について検討した。【方法】対象は要介護認定のない65 歳以上の地域在住高齢者347 名とした。呼吸機能として努力性肺活量および1 秒量,運動機能として握力,下肢筋力,Chair Stand Test,Timed Up and Go Test(以下,TUGT),5 m 快適・最速歩行時間,認知機能としてTrail Making Test part A(以下,TMT-A),体組成として骨格筋指数および体脂肪率を評価した。呼吸機能と運動機能,認知機能,体組成との関連を重回帰分析にて分析した。【結果】年齢,性別,体格,喫煙などの交絡因子で調整しても,努力性肺活量は握力,TUGT,TMT-A と有意な関連を示した。同様に,1 秒量は握力,TMT-A と有意な関連を示した。【結論】地域在住高齢者の呼吸機能は運動機能,認知機能が関連することが示唆された。

  • ─熟達理学療法士の成長を促す経験とそこから得る知識や教訓等─
    池田 耕二, 田坂 厚志, 粕渕 賢志, 城野 靖朋, 松田 淳子
    原稿種別: 研究論文(原著)
    論文ID: 11782
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/09/19
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】熟達理学療法士(以下,PT)の経験学習プロセスから成長を促す経験と学習内容を明らかにし,そこからPT に対する経験学習支援方法を示唆すること。【方法】対象は熟達PT3 名であった。方法は質的研究の手法と松尾の経験学習プロセス解明の枠組みを用いた。【結果】熟達PT はキャリアの初期に「障がいを有した患者の社会参加に向けた実践経験」から〈人とのかかわりや社会・生活に対する実感〉を,初期~中期に「予期できぬ否定的な経験」から〈医療の厳しさ〉等や「重度患者を基本的理学療法で改善した経験」から〈基本的理学療法技術の有効性〉等を,中期~後期に「実習生や新人に対するサポート経験」から〈自己内省による知識・技術の整理〉等や「多職種連携による介入経験」から〈コミュニケーション〉等を学習していた。【結論】熟達PT の成功を促す経験に焦点化し経験を積ませることは,PT の経験学習支援につながると考えられる。

  • 内尾 優, 堀部 達也, 圖師 将也, 加島 広太, 蜂須賀 健, 渕之上 昌平, 野村 岳志, 猪飼 哲夫
    原稿種別: 症例報告
    論文ID: 11795
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/09/18
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】体動に伴う酸素飽和度の低下により離床に難渋した腎移植後ニューモシスチス肺炎の症例に対し,人工呼吸器管理中からTilt Table を用いた受動立位練習を施行し,筋力,ADL の改善を認めたため報告する。【症例と方法】70 歳代男性,7 年に生体腎移植施行。ニューモシスチス肺炎の診断でICU 入室となった。関節可動域練習,体位管理に加え,ICU 入室14 ~38 日目にTilt Table による受動立位練習を実施した。【結果】介入中の有害事象を認めず離床が可能であった。ICU 入室から34 日目に人工呼吸器離脱,38 日目にICU 退室,49 日目に歩行開始,67 日目Barthel Index 85 点で転院となった。【結論】早期からの鎮静中断,人工呼吸器離脱が困難であった重症患者に対して,早期よりTilt Table を用い受動立位練習を実施したことにより安全な離床,筋力およびADL 低下を予防できた可能性がある。

  • ─生物心理社会モデルによる評価と痛みの神経生理学的教育を中心とした理学療法の実施─
    田中 智哉, 三木 貴弘, 樋口 大輔
    原稿種別: 症例報告
    論文ID: 11792
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/09/17
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】近年,筋骨格系疼痛のマネジメントにおいて,心理社会的要因に対する痛みの神経生理学的教育(以下,PNE)の有効性が示されている。今回,両側膝タナ障害と診断された対象者に対して,PNE を中心とした介入を行い,良好な経過が得られたため報告する。【方法】対象者は誘因なく両膝痛が出現した,ランニングを趣味とする20 代男性であった。生物心理社会モデルに沿った評価を行い,痛みの破局的思考,運動恐怖,身体知覚異常,疼痛に対する誤った信念の影響が示されたため,標準的理学療法に加えてPNE を行った。【結果】痛みの破局的思考,運動恐怖,身体知覚異常は軽減し,誤った信念は修正された。両膝痛は改善し,ランニングは満足いくまで実施可能となった。【結論】標準的理学療法に加えてPNE を行うことは,両側膝タナ障害と診断された膝痛に対して有効である可能性が示された。また,それらは身体知覚異常に対しても有効な可能性がある。

  • 須藤 大輔, 景山 剛, 原口 力也, 山本 澄子
    原稿種別: 研究論文(原著)
    論文ID: 11716
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/09/16
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】高齢者の身体機能と身体能力認識が運動戦略に与える影響を隙間通過課題を用いて検討することである。【方法】対象は若年者12 名と高齢者20 名で三次元動作解析装置,アイマークレコーダを使用し,課題は5 m の歩行路にパーテーションを設置し隙間を通過する動作とした。高齢者は身体機能評価から転倒Low risk(以下,LR 群),High risk(以下,HR 群)に分けた。さらに隙間通過する際に身体を回旋するか否か質問し,申告通りか否かで身体能力認識を確認し正確群と誤認識群に分けた。【結果】 HR 群LR 群ともに身体幅よりも狭い隙間を通過する際に若年者に比べ歩幅が縮小し,HR 群の骨盤回旋角度はLR 群に比べ大きかった。また身体能力認識を誤認識する高齢者は障害物注視時間が長かった。【結論】 高齢者の身体機能と身体能力認識は,障害物回避時の運動学的な変化と障害物注視時間に影響することが示唆された。

  • ─地域在住高齢者を対象とした研究─
    世古 俊明, 隈元 庸夫, 三浦 紗世, 松田 涼, 坂口 友康, 伊藤 俊一, 森 満
    原稿種別: 研究論文(原著)
    論文ID: 11820
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/09/15
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】pull-type hand-held dynamometer(以下,pull-type HHD)を用いた,簡易的な脚伸展筋力測定法の有用性を検証した。【方法】対象は高齢者108 名とし,pull-type HHD で脚伸展筋力と膝伸展および屈曲筋力(以下,KE,KF)を測定した。脚伸展筋力は膝屈曲60 度(以下,LP60),30 度の2 施行とした。移動機能の指標には,ロコモティブシンドローム(以下,ロコモ)の有無,最大・至適歩行速度を用いた。筋力値の再現性は,ICC(1,1)とBland-Altman 分析で,移動機能に対する筋力値の関連は,多変量解析で検討した。【結果】各筋力値のICC(1,1)は0.92 以上であり,いずれも固定誤差を認めた。ロコモにはLP60 が,最大歩行速度にはLP60,KE,KF が,至適歩行速度にはKE が有意に抽出された。【結論】pull-type HHD によるLP60 での測定は,最大歩行速度のみならずロコモの状態を反映する測定法となり得る。

  • 神田 孝祐, 坪内 善仁, 福田 浩巳, 石橋 雄介, 洪 基朝, 西田 宗幹
    原稿種別: 短  報
    論文ID: 11781
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/09/11
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】肺炎罹患により,理学療法(Physical Therapy;以下,PT)を実施した当院精神科病棟入院患者の死亡転帰にかかわる因子を検討すること。【方法】対象は2015 年1 月~2018 年11 月の間に,医療・介護関連肺炎(Nursing and Healthcare associated Pneumonia:以下,NHCAP)を発症し,PT を実施した当院精神科病棟入院患者とした。PT 開始から120 日の観察期間中に,死亡した患者を死亡群,生存した患者を生存群とし,Cox 比例ハザード分析を用いて,死亡転帰にかかわる因子を検討した。【結果】解析対象は81 名,観察期間中の死亡者は31 名(38.3%)であった。Cox 比例ハザード分析では,年齢と発症時Body Mass Index(以下,BMI)が採択された。【結論】NHCAP を罹患した当院精神科病棟入院患者の死亡転帰は,年齢と発症時BMI に影響されることが示唆された。

  • 中西 智也, 中川 剣人, 小林 裕央, 中澤 公孝
    原稿種別: 研究論文(原著)
    論文ID: 11790
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/09/10
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】スポーツ歴のある脊髄完全損傷者を対象として,一次運動野の上肢筋脳機能地図をfunctional magnetic resonance imaging(以下,fMRI)法により作成し,機能地図の拡張,および経過年数,運動年数との関係を明らかにすること。【方法】脊髄完全損傷者7 名,健常者6 名を対象としてfMRI 撮像中に上肢筋収縮課題を行い,脳賦活量の定量化および経過年数・運動年数と相関のある脳領域を算出した。【結果】脊髄損傷群において,手指筋収縮時の脳賦活量が健常者群よりも大きかった。また,上腕周囲筋収縮時の脳賦活量は脊髄損傷者群内でも差が見られたが,運動年数との正の相関が見られた。【結論】脊髄損傷後の一次運動野では,障害由来的に手指筋脳機能地図が拡張し,使用頻度依存的に上腕周囲筋脳機能地図が拡張しうる。本結果は,脊髄損傷受傷後に高強度の身体活動が神経学的にも推奨される根拠となりうる。

  • 倉坪 亮太, 渡邊 裕之, 増間 祥弘, 吉本 真純, 宗像 良太, 高澤 祐治
    原稿種別: 研究論文(原著)
    論文ID: 11740
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/09/09
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】成長期男子サッカー選手の下肢筋柔軟性と関節弛緩性の特徴を明らかにすること。【方法】対象は中学1 年男子サッカー部員のうち,過去の身長データが得られ,疼痛のない33 例とした。身長,体重, 下肢筋群の筋柔軟性(ハムストリングス,大腿四頭筋,腓腹筋),関節弛緩性を測定した。身長データからAge of Peak Height Velocity(以下,APHV)を算出し,APHV と暦年齢の差を成熟度指数とした。成熟度指数が–6 ~0 ヵ月の者をG1,0 ~6 ヵ月後の者をG2,6 ~12 ヵ月後の者をG3 に群分けし,筋柔軟性,関節弛緩性を3 群間で比較した。【結果】GI 群9 例,G2 群12 例,G3 群12 例であった。軸脚腓腹筋の筋柔軟性はG1 がG2 と比較して,関節弛緩性スコアはG1 がG3 と比較して有意に低かった。【結論】APHV 前の軸脚腓腹筋の筋柔軟性と関節弛緩性は APHV 後よりも低かった。

  • 河上 淳一, 後藤 昌史, 松浦 恒明, 寄谷 彩, 政所 和也, 永松 隆, 今井 孝樹, 烏山 昌起, 原田 伸哉, 工藤 憂, 志波 ...
    原稿種別: 短  報
    論文ID: 11783
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/09/08
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】本研究の目的は,腱板断裂患者に対し患者立脚評価を用いた治療方針の予測をすることである。【方法】対象は腱板断裂患者229 名で,初診1 ヵ月以降の治療方針(手術または保存)を目的変数,患者立脚評価を説明変数とした決定木分析と傾向スコア分析を行い,治療方針のオッズ比を算出した。【結果】決定木分析にてもっとも手術療法が選択される手術療法傾向群と,もっとも保存療法が選択される保存療法傾向群に分け,それ以外を中間群とした。傾向スコア分析を考慮したオッズ比は,保存療法傾向群に対して手術療法傾向群で11.50 倍,中間群に対して手術療法傾向群で3.47 倍の手術療法が選択された。【結論】腱板断裂患者の治療方針の予測には,SST における4 つの質問の重要性が示唆された。

  • ─3~10歳児と成人との比較─
    萬井 太規, 宮城島 沙織, 小塚 直樹, 種田 健二, 井上 貴博, 佐藤 優衣, 武田 賢太, 浅賀 忠義
    原稿種別: 研究論文(原著)
    論文ID: 11786
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/09/07
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】本研究の目的は,5 つの運動機能領域の側面から,3 ~10 歳の児の歩行能力の特徴を明らかにすることであった。【方法】3 ~10 歳の定型発達児76 名と14 名の若年成人を対象とし,小児群は2 歳毎に4 群に割りあてた。対象者は,6 m の直線歩行路を快適な速度で歩くように指示された。三次元動作解析システムにて,歩幅,歩隔,ステップ速度,ステップ時間,支持脚時間,および遊脚時間を算出した。変動係数とSymmetry Index も算出した。これら歩行変数を5 つの機能領域に分類した(歩調,時間因子,左右対称性,変動性,および安定性)。各変数を年代間で比較した。【結果】歩調,時間,および左右対称性は,7 歳から成人と有意差を認めなかった。一方,変動性と安定性は,全小児群と成人群に有意差を認めた。【結論】成人の値と同等の値に到達する年齢は変数により異なり,特に歩行の変動性や安定性の領域は発達が遅い。

  • ―テント上病変ならびに保存的治療例を対象とした検討―
    山本 洋司, 渡辺 広希, 高田 祐輔, 梅本 安則
    原稿種別: 実践報告
    論文ID: 11753
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/09/04
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】脳卒中患者に対する早期離床を発症後48 時間以内の起立と定義し,有効性および安全性について検証すること。【方法】対象は脳卒中患者とし,早期離床導入前群(以下,導入前群)と早期離床導入後群(以下,導入後群)に分けた。主要アウトカムは退院時のBarthel Index ならびにmRS とした。副次項目は不動関連の合併症ならびに神経学的有害事象とした。【結果】導入前群110 名,導入後群93 名であった。Barthel Index は導入前群と比較して導入後群で有意に高かった。mRS(0–1) に該当する者は導入前群と比較して導入後群で有意に多かった。不動関連の合併症は導入前群と比較して導入後群で有意に少なかった。神経学的有害事象は両群間で有意差を認めなかった。【結論】発症後48 時間以内の起立と定義した早期離床は,脳卒中患者においてテント上病変ならびに保存的治療例で安全に実施可能で機能的予後を良好にし,不動関連の合併症を減少させる。

  • 野々垣 政志, 阪井 裕一, 山本 満
    原稿種別: 症例報告
    論文ID: 11764
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/09/03
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】重症熱傷受傷後に早期から理学療法を行い,退院できた幼児を経験したので報告する。【症例】2 歳の男児,重症熱傷に対し人工呼吸管理下に治療を開始した。熱傷面積は体表の72% で,頸部・体幹・右上腕は全周性にⅢ度熱傷であった。入院後5 日目より理学療法を開始し,気管挿管中は鎮痛下で関節可動域練習を行った。抜管後,関節可動域練習や歩行練習を実施したが,本人が痛いと拒否するため介入に難渋した。また,筋力低下により基本動作には重度の介助を要した。入院後103 日目以降,熱傷の軽快とともに歩行練習等を行えるようになり,運動機能は急速に回復し,152 日目に退院した。関節可動域は全周性にⅢ度熱傷であった部位以外には制限を認めず,運動機能は屋外歩行が可能となった。【結語】2 歳の重症熱傷児でも人工呼吸管理中の鎮痛下より関節可動域練習を行い,熱傷の時期に応じた運動療法を施行することで,屋外歩行が可能となるまで回復した。

  • ─多施設による無作為化比較対照試験─
    大倉 和貴, 高橋 仁美, 塩谷 隆信, 飯田 有輝, 稲垣 武, 小川 智也, 奥條 朝子, 筒井 宏益, 久野 絵里, 宮崎 慎二郎
    原稿種別: 研究論文(原著)
    論文ID: 11727
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/09/02
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】慢性閉塞性肺疾患(以下,COPD)において,吸気筋トレーニング(以下,IMT)が身体活動量に与える効果を明らかにすること。【方法】59 例の安定期COPD 患者を,最大吸気口腔内圧(以下,PImax)の30% 以上の負荷でIMT を行うIMT 群と10% 以下のSham 群へ無作為に振り分けた。IMT は,1 セッションを30 呼吸,1 日2 セッションとし,3 ヵ月間実施させた。測定項目は,PImax,6 分間歩行距離(以下,6MWD),1 日の平均歩数(以下,Steps),中から高強度の平均身体活動時間(以下,MVPA)とした。【結果】解析対象は,IMT 群23 例,Sham 群27 例であった。PImax,Steps,MVPA で有意な交互作用がみられ,IMT 群でのみ経時的に有意な差がみられた。6MWD に交互作用はみられなかった。【結論】3 ヵ月間のIMT によってPImax および身体活動量に向上がみられた。IMT は身体活動量を向上する可能性がある。

  • 中辻 晋太郎, 木山 良二, 川田 将之, 久保田 正一, 吉元 洋一, 貴嶋 芳文, 秦 一貴, 亀田 友愛, 菊池 春菜
    原稿種別: 症例報告
    論文ID: 11705
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】Bennett lesion に起因する棘上筋のinternal impingement が症状の原因と思われる症例に対し,投球動作の改善を目的とした運動療法を行った結果,競技復帰が可能となったので報告する。【方法】症例は右肩関節の投球時痛が主訴の29 歳男性。投球動作はearly cocking 期から胸椎伸展と投球側への体幹回旋保持が不足し,非投球側への早期の体幹回旋運動の開始および過剰な体幹側屈がみられた。投球時痛は肩甲上腕関節後方に認め,身体機能評価から棘上筋のinternal impingementが痛みの原因と考えられ,肩関節への負荷の少ない投球動作を獲得するための運動療法を行った。【結果】異常な投球動作に関連する身体機能の改善を図った結果,全力投球が可能となった。【結論】身体機能評価から障害部位を推定し,投球動作の改善を目的とした運動療法を行うことが重要であると考えられた。

  • ─ランダム化比較試験─
    猪熊 正美, 臼田 滋, 生須 義久, 福司 光成, 山下 遊平, 桒原 拓哉, 中野 晴恵, 設楽 達則, 高柳 麻由美, 風間 寛子, ...
    原稿種別: 研究論文(原著)
    論文ID: 11746
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/08/31
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】本研究は,入院期高齢心不全患者における早期レジスタンストレーニング(resistance training:以下,RT)の安全性と実行可能性および身体機能への効果について検討することである。【方法】RT の適応基準,禁忌,除外基準を考慮した高齢心不全患者をRT 群とコントロール群との2 群に無作為割付けした。また,主要アウトカムを膝伸展筋力とし,副次アウトカムを快適歩行速度とSPPB とし,これらの介入前後と群間の差を比較した。【結果】膝伸展筋力と快適歩行速度は交互作用が有意であり,RT 群の方で改善が顕著であった。effect size は,RT 群の膝伸展筋力と快適歩行速度は中程度,RT 群のSPPB とコントロール群の膝伸展筋力,SPPB は小程度であった。【結論】入院高齢心不全患者において早期レジスタンストレーニングは適応,禁忌,除外を明確化し段階的な負荷量で漸増すれば安全かつ効果的に実行できることが示唆された。

  • 古本 太希, 浜田 大輔, 片山 綾音, 松井 祐, 川村 由佳, 友成 健, 加藤 真介, 西良 浩一
    原稿種別: 研究論文(原著)
    論文ID: 11777
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/08/19
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】人工膝関節全置換術(以下,TKA)後患者の階段降段動作では,同年代健常者の遠心性膝関節伸展モーメントを再現できているのかを明らかにすること。【方法】対象は,術後1 年以上経過し降段動作が1 足1 段様式で可能なTKA 群8 例と同年代高齢者である健常群10 例とした。降段動作解析は,三次元動作解析装置と床反力計を用いて矢状面の関節角度,関節モーメント,関節パワーと表面筋電図にて下肢筋活動を計測した。主要な計測項目である膝関節伸展モーメントの第1 ピークの立脚前期(20%)と第2 ピークの立脚後期(80%)ですべての計測データを比較した。【結果】TKA 群の降段動作時の遠心性膝関節伸展モーメントは,立脚前期および立脚後期のいずれも健常群よりも有意に低かった。【結論】TKA 後1 年経過しても階段降段動作では,同年代健常者の遠心性膝関節伸展モーメントを再現できていなかった。

  • 中島 宏樹, 谷﨑 太朗, 芹澤 充洋, 伊藤 将平, 宮崎 雄樹, 祖父江 紗也花, 神田 敦子
    原稿種別: 研究論文(原著)
    論文ID: 11787
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/08/14
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】急性期虚血性脳梗塞患者において初回の背臥位から端座位への姿勢変換による血圧変動とその後の神経症状増悪との関連を検討することを目的とした。【方法】発症24 時間以内に入院した虚血性脳梗塞患者165 名を対象に初回離床時に端座位を10 分間以上行い,背臥位と比較して端座位3 分後または10 分後の血圧変動の有無を評価した。対象者を入院7 日以内にNIHSS 値で2 点以上増加を認めた神経症状増悪群と非増悪群の2 群に分け, 調査項目や生化学的項目,血圧関連指標と神経症状増悪との関連を多重ロジスティック回帰分析を用いて検討した。【結果】増悪群は25 名(15.2%)であった。神経症状増悪の独立した関連因子として,穿通枝領域の脳梗塞,HDL コレステロール値,端座位時の血圧低下が抽出された。【結論】急性期虚血性脳梗塞患者において発症後早期の初回端座位時の血圧低下は入院7 日以内の神経症状増悪と関連することが示唆された。

  • 福尾 実人, 村木 里志
    原稿種別: 研究論文(原著)
    論文ID: 11759
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/08/12
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】本研究の目的は,要介護高齢者の身体機能と身体各部位筋量の特徴を検討することである。【方法】対象は65 歳以上の地域在住男性高齢者53 名とし,健常高齢者(以下,健常群)と要介護高齢者(以下,要介護群)に分類した。身体機能の評価には,基本チェックリスト下位項目のNo.6 ~10 の質問を用いた。超音波B モード法を用いて身体8 部位の筋厚の測定に加え,身長,体重,BMI を測定した。【結果】要介護群は健常群よりも身体機能の総得点およびそれぞれの項目の得点が高かった。下腿前部および後部の筋厚のみ健常群よりも要介護群が有意に小さかった。【結論】要介護男性高齢者の場合,特に下腿前部と後部の筋量は低下することが示唆された。

  • 武田 廉, 五十嵐 達也, 大熊 彩, 小山 智寛, 星野 雄哉, 宮田 一弘
    原稿種別: 研究論文(原著)
    論文ID: 11785
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/08/11
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】急性期脳卒中患者におけるMini-Balance Evaluation Systems Test(以下,Mini-BESTest)の妥当性,信頼性,反応性,解釈可能性を検討した。【方法】対象は脳卒中患者 42 名とした。Mini-BESTest と他の評価尺度の相関関係,内的一貫性,既存のバランス評価尺度との変化量の相関関係,および歩行自立度の判別精度を検討した。【結果】バランスおよび他の類似概念の評価尺度と有意な相関(r=0.36 ~0.83)を示し,内的一貫性も良好(α=0.88)であった。Mini-BESTest と既存のバランス評価尺度の変化量は有意な相関(r=0.84)を認めたが,歩行自立の判別精度は低かった。【結論】Mini-BESTest は妥当性,信頼性,反応性,解釈反応性を示し,急性期脳卒中患者に対するバランス評価尺度として妥当な尺度であることが示唆された。

feedback
Top