理学療法学
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報告
脳卒中後片麻痺患者に対するShort-SHB
―応用動作におけるSHBとの比較分析―
橋崎 仁司広瀬 好郎杉本 寛砂川 茂且橋崎 敦子野村 進前田 真治
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キーワード: 装具, 脳卒中, 動作分析
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1988 年 15 巻 5 号 p. 421-426

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抄録
応用動作中のShort-SHBの有効性を調べるために, しゃがみ立ち動作と階段昇降時のShort-SHBとSHBおよびシューズとを比較分析した。対象は脳卒中後片麻痺患者5例(全例男性, 平均年齢47.2歳, 右麻痺1例, 左麻痺4例)と健常人5例とし, 以下の結果を得た。1)しゃがみ立ち動作で, SHBに比べShort-SHBの方が深くしゃがみ込めた。2)しゃがみ立ち動作中のCOP前後・左右の移動距離は, SHBに比べShort-SHBの方が小さかった。3) Short-SHBは, SHBの踵が浮いたのに比べ, 踵が接地して支持面積が広く, 安定してしゃがみ立ち動作が行なえた。4)階段昇降中Short-SHBは, 足関節角度継時変化が健常人に類似し, 患側立脚時間が長いことより支持性の増加が伺われた。以上のことより, Shor-SHBはSHBに比べ, しゃがみ立ち動作と階段昇降では有効と思われた。
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© 1988 公益社団法人 日本理学療法士協会
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