理学療法学
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卒後研修セミナー
PNFの有効性の論証
柳澤 健
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キーワード: 運動療法, PNF, PNF肢位
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1991 年 18 巻 3 号 p. 354-358

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抄録

PNF (Proprioceptive Neuromuscular Facilitation, 固有受容器性神経筋促通手技)は1950年代にKabat, Knott, Vossらによって開発された運動療法技術である。筋萎縮性側索硬化症やギランバレー等の脊髄運動ニューロン疾患だけでなく, 脳血管障害による片麻痺患者等にもPNFが筋再教育として用いられている。Kabatは, 1940年代の Gellhornらの生理学実験結果からPNFの効果を演繹的に説明している。70年, 80年代には Nakamuraらの臨床実験等によりその効果が主に帰納法的に論証されている。PNFに限らず理学療法の効果を論ずるには効果判定尺度を何にするかが重要になる。臨床の場で, 患者の歩容が改善したとしても患者の運動機能を改善させた要因が何であるかを明らかにしなければ説得力は弱い。それゆえ, 運動機能を改善させる要因を最も単純にして考える必要がある。そこで, PNFの効果を論証するにあたり, 運動機能を改善する固有受容器性要因を次の項に分割して実験考証する。

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© 1991 公益社団法人 日本理学療法士協会
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