1995 年 22 巻 2 号 p. 69-75
感染により呼吸不全の急性増悪に陥り,呼吸管理を必要としたデゥシャンヌ型進行性筋ジストロフィー患者2例に対し,体位ドレナージを施行し,鼻マスク使用による間歇的陽圧人工呼吸(Nasal mask intermittent positive pressure ventilation,NIPPV)を併用した呼吸管理を経験した。
体位ドレナージの手技を痰の性状で使い分けることにより,より多くの喀痰喀出が認められた。NIPPVは気管切開にみられるリスクもなく,非侵襲的な呼吸管理が可能であった。NIPPVの併用により,肺胞の再拡張や気管内分泌物の除去が促され,患者の疲労を軽減した上で体位ドレナージが可能であった。