抄録
荷重が廃用性筋萎縮の進行抑制に及ぼす効果を,週内頻度(隔日と毎日)の違いから検討した。24匹のラットを4群に分けた。実験群は①2週間の寡運動(非荷重)中に荷重しない群,②寡運動中に1時間荷重を隔日に加えた群,③寡運動中に1時間荷重を毎日実施した群とし,1群を対照群とした。その後,ヒラメ筋と長指伸筋を摘出し重量を測定した。さらにATP染色により筋線維タイプを分類(I・II)し,断面積を測定した。その結果,①非荷重および荷重による影響は,長指伸筋よりヒラメ筋で著明であった。②ヒラメ筋の相対重量比およびタイプ構成比率は,毎日1時間荷重することで維持可能であった。③ヒラメ筋断面積は,荷重しないより隔日,隔日より毎日荷重の方が有意に大きかった。以上より,一日1時間の荷重は,廃用性筋萎縮の進行抑制が可能であり,隔日荷重より毎日荷重の方が効果的なことが示唆された。