1995 年 22 巻 5 号 p. 216-218
本稿の目的は,体重の変化が歩行時の股関節外転筋活動量にどの様に影響するかを検討することである。健常成人10名を対象に重量負荷の無い(0%)自由歩行と,体重の10%,20%の重錘を装着し体重増加を想定した負荷歩行を行わせ,それぞれの条件で立脚期の股外転筋活動量を求めて比較した。その結果,各条件の歩行間では股関節外転筋活動量に有意な変化は無かった。体重増加での歩行は股関節外転筋に対して負荷は小さく,むしろ他の下肢関節や筋による代償で補われると推測された。