理学療法学
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Physiological Cost Indexから検討した脚長差に対する靴補高の必要性
竹井 仁岩崎 健次池田 由美
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キーワード: 脚長差, 歩行, PCI
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1996 年 23 巻 4 号 p. 237-241

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抄録
本研究の目的は,健常成人男性9名に対する一側下肢への作為的な脚長差による歩行が,歩行諸因子,特に歩行効率の指標である生理的コスト指数(Physiological Cost Index:以下PCI)に及ぼす影響と靴補高の必要性について検討することである。運動課題は,0〜4cmの5種類の脚長差を施した条件下での「快適歩行速度」と「最大歩行速度」の2種類である。分析項目は,PCI,運動時心拍数と安静時心拍数の差,歩行速度,ストライド長,歩行率である。結果,歩行速度,ストライド長,歩行率は,2種類の速度条件ともに4cmまでの脚長差ならば有意差はなかった。しかし,快適歩行速度時に,PCIは脚長差4cmと0cm,4cmと1cmとの間に,心拍数差は4cmと0cmとの間にそれぞれ有意差が認められた。これらから,脚長差歩行をPCIや心拍数などの身体エネルギー消費の面から検討すると,脚長差が4cmになると靴補高の必要性があると考える。
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© 1996 公益社団法人 日本理学療法士協会
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