1997 年 24 巻 2 号 p. 82-84
本研究の目的は,パーキンソン病患者のそり返り動作時の体幹伸展度とYahrの重症度との間に関連があるかを検討することである。パーキンソン病患者38例と健常者7例について立位および腹臥位での体幹伸展度を測定した。腹臥位における体幹伸展度では健常者とパーキンソン病群との間に有意差は認められなかった。立位における体幹伸展度では健常者とパーキンソン病群との間で有意差が認められ,体幹伸展度はYahrの重症度(ただし,YahrのⅣ群を除く)と負の相関を示した。すなわち,立位ではパーキンソン病患者はYahrの重症度が増すにつれで上体をそらすという動作が次第に困難になることが示唆された。