理学療法学
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サイレントピリオドと等尺性収縮度の関連性
―下肢における検討―
大工谷 新一鈴木 俊明廣瀬 浩昭今西 吉一藤原 哲司
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1997 年 24 巻 5 号 p. 274-278

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抄録
サイレントピリオドは,随意収縮中に該当筋に外的な単縮を加えることでみられる持続的筋放電の休止期のことであり,その長短は神経系の興奮状態を反映している。今回,サイレントピリオドを指標とし,スポーツ習慣のない健常者を対象として下肢,特にヒラメ筋におけるサイレントピリオドについて検討した。サイレントピリオドは股関節および膝関節を45度屈曲位とした仰臥位にて,ヒラメ筋を最大随意等尺性収縮(最大努力)の25%,50%,75%,100%の収縮度で保持させた状態で膝窩部脛骨神経に電気刺激を加え,同側ヒラメ筋から導出した。結果は,サイレントピリオドは等尺性収縮度の増大に伴い短縮し,最大努力の75%の努力度で最短となり,最大努力では延長する傾向にあった。筆者らの上肢における先行研究と同様に下肢においても,サイレントピリオドの成因として考えられている大脳レベルの相対的抑制が,最大努力の75%の時に最も解放されること,つまり,最大努力の75%の時に中枢神経系は最も促通されると考えられた。
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© 1997 公益社団法人 日本理学療法士協会
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