理学療法学
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ペダリング動作における下肢筋の筋電図学的分析
岩下 篤司市橋 則明池添 冬芽大畑 光司
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2004 年 31 巻 2 号 p. 135-142

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抄録

本研究の目的は,ペダリング動作においてトークリップの有無および回転数と負荷量の変化により,下肢筋の筋活動がどのように変化するかを明らかにすることである。対象は健常成人10名であった。測定筋は右下肢の大腿直筋,内側広筋,外側広筋,半膜様筋,大腿二頭筋,腓腹筋内側頭,前脛骨筋とし,トークリップの有無,回転数40,60rpm,負荷量0.5,1.0,2.0kpの組み合わせ12設定で,自転車エルゴメーターを用いてペダリングを行ったときの筋電図を分析した。トークリップ装着により大腿直筋の筋活動量は増加し,半膜様筋と大腿二頭筋の膝屈曲相における筋活動量は減少した。回転数を増加させると大腿直筋および半膜様筋と大腿二頭筋の屈曲相を除き筋活動量は増加した。負荷量を増加させることにより,半膜様筋と大腿二頭筋を除く全ての筋において筋活動量は増加したが,0.5kpから1.0kpへ変化させても筋活動量は大きく増加しなかった。本研究の結果,ペダリング動作におけるトークリップの有無,回転数,負荷量の設定条件により,下肢筋の筋活動に及ぼす影響は各筋ごとに異なることが示唆された。

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© 2004 公益社団法人 日本理学療法士協会
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