理学療法学
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短報
健常青年における背臥位からの立ち上がり動作
―所要時間と動作過程の分析―
対馬 栄輝
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2004 年 31 巻 5 号 p. 325-327

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抄録

背臥位から立ち上がる動作においては,背臥位の頭側を向いた立位(頭側立位)または背臥位の足底側を向いた立位(足側立位)となる2通りの方法がある。これらの所要時間の差および動作パターンの特徴を検討した。対象は健常人42名とした。被検者に頭側立位と足側立位となる方法で交互に立ち上がらせて所要時間を測定し,またビデオカメラで動作パターンを撮影した。その結果,所要時間は頭側立位(平均2.6 ± 0.4秒)よりも足側立位(平均2.3 ± 0.5秒)が有意に速かった。頭側立位のパターンは27名が「背臥位―片肘立ち位―高這い位―立位」,15名が「背臥位―長坐位―しゃがみ位―回旋を伴う立ち上がり」を示し,足側立位では全被検者がしゃがみ位を介して立ち上がった。立ち上がり動作の所要時間を測定するときには,立位の向きを統一して行わせる必要があり,特に頭側立位で行わせる場合には動作パターンの特徴を分析することも必要であると考えた。

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© 2004 公益社団法人 日本理学療法士協会
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