理学療法学
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報告
人工股関節形成術後1年以上経過した女性患者の身体活動と股関節障害および心理社会的要因の関係
小野 玲平田 総一郎山田 実
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2005 年 32 巻 6 号 p. 374-379

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抄録

近年の身体活動向上による疾病予防は障害を持つものにおいても,享受されるべき事柄であるが,THA術後患者と身体活動については十分に議論されているとは言いがたい。本研究の目的はTHA術後患者の身体活動の現状を把握し,その関連要因を検討することである。対象者は術後1年以上経過した女性患者34名(65.8 ± 9.2歳)であった。測定項目は身体活動として歩数計による1日の平均歩数,関連要因としてHarris Hip Score,仕事・余暇時間の歩いている頻度,SF-36の下位尺度であった。歩数は50・60歳代において国民栄養調査の結果と比べ低下していた。重回帰分析により歩数と有意な関連を認めた項目は余暇時間の歩く頻度,SF-36の下位項目である全体的健康感,日常役割―精神であった。このことは,健康増進の観点から術後患者の身体活動を向上させる必要性を示唆し,それには身体機能以外のアプローチが重要であることを示唆したものである。

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© 2005 公益社団法人 日本理学療法士協会
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