2005 年 32 巻 6 号 p. 380-383
本研究の目的はハンドヘルドダイナモメーターを用いた等尺性足底屈筋力測定法の信頼性を分析することと,徒手筋力検査(MMT)との関連について検討することである。対象は介護老人保健施設に通所または入所中の高齢者93名,平均年齢は79.5歳であった。足底屈筋力測定法の信頼性はICC(Intraclass Correlation Coefficient)を,足底屈筋力測定法とMMTとの関連については一元配置の分散分析および多重比較検定を用いて分析した。検者間および検者内信頼性はいずれもICC値が0.9以上と有意に強い相関を認めた。MMTとの関連では全体的にはMMTの段階が高いものほど足底屈筋力が有意に強かったが,4と5の段階間に差は見られず,この段階の違いを測定することは困難であった。以上より本研究で用いた足底屈筋力測定法は,それほど筋力水準の高くない者の足底屈筋力を把握する方法として,臨床応用が可能であると考えられた。