2011 年 38 巻 5 号 p. 382-389
【目的】日本語版STRATIFYおよびMorse Fall Scale(MFS)の作成とリハビリテーション専門病院における有用性を検討すること。【方法】2008年8月からA病院回復期リハビリテーション病棟に新規入院した患者120名を対象とした。日本語版STRATIFYおよびMFSの作成は開発者の許可を得て完成させた。STRATIFYおよびMFSは入院時に評価し,3ヵ月間の転倒発生を前向きに調査した。データ解析には転倒発生日をエンドポイントとした生存分析(Kaplan-Meier法)を用い,また比例ハザード解析にて転倒発生の危険因子を抽出した。【結果】累積生存率ではSTRATIFYを用いた場合,ハイリスク群で生存率の有意な低下が認められたが,MFSではその差は有意ではなかった。また比例ハザード解析においては,2点以上のSTRATIFYスコアが有意な転倒危険因子として抽出された。【結論】STRATIFYは,本邦リハビリテーション病棟においても転倒ハイリスク者を良好に判別できる簡便なアセスメントツールである。