2013 年 40 巻 2 号 p. 126-127
本研究の目的は,微振動刺激が人工膝関節全置換術(TKA)後患者の膝関節機能に与える影響を検討することとした。当院において変形性膝関節症により初回片側TKAを施行した患者(n=13)を振動刺激群と非刺激群にランダムに割りつけた。両群ともに微振動刺激装置を術側内側広筋直上の皮膚に貼付し,術前と術後3週にWestern Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index,膝関節可動域,膝関節伸展筋力,Timed "UP and GO" test,膝関節周径を評価した。群間における周径の術前後差について,膝蓋骨5cm上で刺激群が有意に低値を示したが,伸展筋力,屈曲可動域などに差は認められなかった。腫脹が軽減したことは微振動刺激によって循環が促された可能性が考えられたが,TKA後早期からの微振動刺激の影響については,さらなる検討が必要である。