2013 年 40 巻 2 号 p. 128-129
本研究は,モーションレコーダ,3次元動作解析装置,表面筋電計を用いて,対照群と変形性膝関節症群での片脚立位動作時における単脚支持移行期のバイオメカニクス的特徴を明らかにし,運動療法の指標とすることを目的に行った。その結果,変形性膝関節症群は,対照群と比較して大腿直筋筋活動が有意に大きく,立脚側股関節内転角度が有意に小さかった。このため,変形性膝関節症群は片脚立位動作時に股関節内転による単脚支持移行が困難であることが示唆された。そのため,変形性膝関節症に対する理学療法として,大腿直筋の筋活動を抑制し単脚支持移行期において,股関節内転に伴う荷重対応を促すアプローチが必要であると考える。