抄録
【目的】本研究の目的は,閉眼片足立ち低下者に対し,閉眼片足立ち練習のみの介入を行ったときに閉眼片足立ち時間が変化するか検証することである。【方法】対象は若年健常女性40名の内,閉眼片足立ち時間が40秒未満の20名とした。対象者に対し,介入前に身長,体重,片足立ち時間(開眼,閉眼),足趾圧迫筋力,足底二点識別覚,下肢筋パワーを測定した。閉眼片足立ち検査後左右の足を比較し,低下側を練習足,他側を非練習足とした。練習足で合計120秒の閉眼片足立ち練習を1日3回,週3日,3週間行い,介入後および介入3ヵ月後,6ヵ月後に再測定を行った。【結果】閉眼片足立ちは練習足および非練習足のいずれも介入前と比較し介入後,介入3ヵ月後,介入6ヵ月後は有意に向上していた。また,その変化量は非練習足よりも練習足の方が有意に大きかった。他の身体機能項目については介入前後の比較で有意差を示さなかった。【結論】3週間の閉眼片足立ち練習は,若年健常者の閉眼片足立ち時間の向上に特異的に効果があることを示した。