2016 年 43 巻 5 号 p. 397-403
【目的】心大血管術後の透析患者におけるAT 強度以下の処方心拍数を,Karvonen 法と安静時心拍数に定数を加算する方法(HRrest+α)から検討した。【方法】心大血管術後の透析患者16 名に対し心肺運動負荷試験を実施し,AT 時の心拍数(以下,HRAT)を測定した。そして各処方式の負荷定数を変化させて求めた処方心拍数とHRAT の信頼性を級内相関係数(以下,ICC)で検討した。また各定数で求めた処方心拍数がHRAT を超える割合(%over AT)も算出した。【結果】透析群においてKarvonen 法でk = 0.13,HRrest+α でα = 11 の定数で求めた処方心拍数は,HRAT とのICC がそれぞれ0.9 と0.92 であり,%over AT が36.8% と15.8% であった。【結語】α = 11 で求めるHRrest+α の処方心拍数は,心大血管術後の透析患者において,AT 強度を超えない範囲での運動強度になると考えられる。