2017 年 44 巻 6 号 p. 426-432
【目的】冠動脈疾患急性治療後の糖代謝異常患者におけるinterleukin-6(以下,IL-6)の運動時急性応答と血糖変動,骨格筋指数(skeletal muscle index:以下,SMI)との関連を明らかにすること。【方法】対象は冠動脈疾患急性治療後の糖代謝異常患者13 例とした。有酸素運動前,運動終了直後にIL-6 と血糖値(blood glucose:以下,BG)を測定した。SMI は多周波数インピーダンス法にて測定し,運動前後のIL-6の変化量(⊿IL-6)とBG の変化量(⊿BG),SMI との関連を検討した。【結果】⊿IL-6 と⊿BG との間に有意な負の相関関係を認め,⊿IL-6 とSMI との間に有意な正の相関関係を認めた(p <0.05)。【結論】単回の有酸素運動でも,IL-6 の分泌増加が骨格筋でのグルコースの取りこみ促進に関連し,分泌されるIL-6量には筋肉量が関連していることが示唆された。