2018 年 45 巻 2 号 p. 82-89
【目的】心臓外科領域で主流である胸骨正中切開が術後の脊柱アライメント・可動域に与える影響について検討した。【方法】胸骨正中切開にて予定手術を受けた患者27 名を対象とした。脊柱アライメント・可動域はスパイナルマウス(Idiag AG 社製,Switzerland)を使用し,直立位,体幹前屈位,体幹後屈位の3 条件で測定を行った。また,術後測定時に胸郭の疼痛について聴取した。統計は脊柱項目の術前後を対応のあるt 検定を用いて比較し,脊柱と術後疼痛の関係性をSpearman の順位相関係数を用いて調査した。【結果】脊柱アライメントでは直立位・後屈位で胸椎後彎が増強,前屈位で胸椎後彎が減少していた。可動域は直立位-体幹前屈位間・直立位-体幹後屈位間ともに胸椎可動域が低下した。脊柱アライメント・可動域と疼痛の間に有意な相関が認められた。【結論】胸骨正中切開は術後に胸椎アライメント・可動域を変化させる可能性が示唆された。