理学療法学
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症例報告
食道がん術後患者に生じた身体活動量低下を月一回の外来フォローにより改善できた1 例
─栄養指導と運動記録の活用によるフィードバックの実施─
濵口 雄喜木村 大輔鈴木 啓太伊藤 智崇永冨 史子武市 恵理子山辻 知樹
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2019 年 46 巻 1 号 p. 47-53

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抄録

【目的】食道がん術後に筋力と全身耐久性が低下し,身体活動量が低下した症例に対し,退院後月一回の外来フォローにより,良好な結果を得たため報告する。【対象】対象は食道扁平上皮がんの80 歳代男性患者である。術後に気胸および肺炎を併発し,術後早期に理学療法を再開したが呼吸機能,筋力,全身耐久性ともに低下していた。【方法】月一回の外来フォローにて運動指導と栄養指導,1ヵ月の平均歩数,自主トレーニング実施日数のフィードバックを実施した。【結果】膝伸展筋力,30 秒間立ち座りテスト,6 分間歩行試験の改善を認め,1ヵ月の平均歩数は1,392 ± 810 歩から3,547 ± 1,022 歩まで有意に増加した。【結論】本症例の結果は,適切な運動指導と栄養指導に加えて,1 ヵ月の平均歩数や自主トレーニング実施日数をフィードバックすることで,月一回の外来フォローであっても,運動機能の向上とともに,身体活動量を増加,維持できることを示唆している。

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© 2019 日本理学療法士学会
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