理学療法学
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実践報告
骨転移診療に対する職種別の意識調査
─メディカルスタッフ間の相違─
河村 健太篠原 正和齊藤 久子峯岸 忍会田 育男
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2019 年 46 巻 3 号 p. 181-187

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抄録

【目的】骨関連事象(以下,SRE)カンファレンスの問題点や課題を抽出するため,骨転移診療にかかわるメディカルスタッフの認識と実際の診療を調査した。【方法】リハビリテーションスタッフ,看護師,介護士,主診療科医師にアンケートを配布した。骨転移への関心,SRE の悩み,多職種連携の悩み,リハビリテーションスタッフや医師に期待すること,医師が骨転移を確認した際に行うことを調査した。【結果】医師以外では安静度・リスク管理の悩みが90% 以上で,医師の41.7% に比し高値であった。医師は安静度設定を期待されているが,画像診断や患者・家族への説明,鎮痛薬の処方が80% 以上であるのに比べ,他のメディカルスタッフへの周知,動作制限,補装具装着の指示を行うとしたのは,それぞれ68.2%,40.9%,18.1% と低値であった。【結論】医師以外はSRE の安静度・リスク管理に悩み医師に対応を期待していたが,医師の認識や診療と差があった。

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© 2019 日本理学療法士学会
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