理学療法学
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症例報告
運動療法を気管挿管中に施行し,人工呼吸管理から離脱,抜管できたネマリン・ミオパチーの一例
野々垣 政志阪井 裕一山本 満
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2020 年 47 巻 1 号 p. 55-60

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抄録

【目的】乳児重症型ネマリン・ミオパチーを有し,肺炎後に集中治療室関連筋力低下にて人工呼吸管理が長期化した幼児に対し,呼吸筋の筋力回復を目的に医師,看護師と連携し離床,運動療法を行い抜管に成功したので報告する。【症例】乳児重症型ネマリン・ミオパチーの3 歳男児,肺炎のため気管挿管,人工呼吸管理を行い,挿管後6 日目に計画抜管したが呼吸筋の筋力低下と気道内分泌物の自己喀出困難により再挿管となった。これに対し,経鼻挿管下に離床,バギーへの乗車,立位練習,歩行練習を行い,呼吸筋の筋力回復を図った。介入中に計画外抜管を起こさず,再挿管後22 日目に抜管することができた。1 回目,2 回目の抜管前の呼吸機能検査値より呼吸筋の筋力回復を認めた。【結語】乳児重症型ネマリン・ミオパチーを有し気管挿管・人工呼吸管理が長期化した症例でも,気管挿管中の身体活動量を増加させることで呼吸筋の筋力向上が促され抜管が可能となった。

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© 2020 日本理学療法士学会
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