理学療法学
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研究論文(原著)
一過性の上肢の有酸素性運動および骨格筋電気刺激の併用が血管内皮機能に及ぼす影響
石川 みづき三浦 哉東 亜弥子田村 靖明松本 明彦
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2020 年 47 巻 1 号 p. 27-34

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抄録

【目的】本研究は,上肢の有酸素性運動と下肢EMS の併用が動脈硬化,高血圧などのリスクの軽減に寄与することを想定し,一過性の上肢クランク運動と下肢への骨格筋電気刺激(以下,EMS)の併用が血管内皮機能に及ぼす影響について検討した。【方法】被験者は,健康な成人男性10 名であり,50% VO2 max の強度で20 分間の上肢クランク運動のみを実施させる条件(以下,A 条件),20 分間の上肢クランク運動と下肢へのEMS を併用させる条件(以下,A+E 条件)を設定した。各運動前後に上腕動脈の血流依存性血管拡張反応(以下,FMD)を測定し,標準化FMD(以下,nFMD)を算出した。【結果】A+E 条件のnFMD は,運動前と比較して運動30 分後に有意な増加を示し,運動30 分後においては,A 条件と比較して有意な増加を示した。【結論】上肢クランク運動と下肢へのEMS の併用は,上腕動脈の血管内皮機能を向上させることが示された。

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© 2020 日本理学療法士学会
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