理学療法学
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研究論文(原著)
模擬的円背姿勢が呼吸機能と随意的咳嗽力に与える影響
武田 広道山科 吉弘田平 一行
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2020 年 47 巻 1 号 p. 20-26

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抄録

【目的】円背姿勢が咳嗽力に与える影響を明らかにすること。【方法】若年男性16 名を対象とし,非円背,軽度,中等度,重度円背の4 条件で咳嗽時最大呼気流量(以下,CPF),肺機能,呼吸筋力,胸郭拡張差,最長発声持続時間(以下,MPT),呼吸抵抗(R5,Fres)を測定した。条件間の比較には一元配置分散分析および多重比較検定(Bonferroni)を行った。また円背程度による各測定項目の変化率を算出し,ピアソンの相関分析を行った。【結果】CPF,肺活量(以下,VC),胸郭拡張差(剣状突起部),MPT は非円背と比較し,中等度以上の円背で,呼吸筋力,Fres は重度円背で有意に低値を示した。また,CPF とVC,呼気筋力,胸郭拡張差(剣状突起部)との間に有意な正の相関を認めた(r=0.27,0.33,0.37,p<0.05)。【結論】円背が中等度以上になると胸郭拡張差,呼吸筋力,VC が低下し,CPF を低下させることが示唆された。

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© 2020 日本理学療法士学会
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