理学療法学
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研究論文(原著)
術後急性期の人工股関節全置換術後患者に対する4 日間の大腿四頭筋への電気刺激療法の有効性
和田 治山本 洋輔岡 智大
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2020 年 47 巻 2 号 p. 132-137

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抄録

【目的】本研究の目的は,人工股関節全置換術(以下,THA)後急性期患者における4 日間の大腿四頭筋への低周波電気刺激療法(以下,EMS)の有効性を明らかにすることとした。【方法】女性THA 患者52 名をコントロール群と介入群に無作為に分けた。両群とも通常のリハビリテーションに加え,1日2回の端座位での膝伸展運動20 回を行い,介入群ではEMS を併用した。手術1 ヵ月前,術後4 日目に膝伸展筋力,歩行速度,歩行時痛を測定した。膝伸展筋力と歩行速度は術前比を,歩行時痛は術前差を算出し,2 群で比較した。【結果】介入群において膝伸展筋力と歩行速度の術前比は有意に高値を示し,歩行時痛も術前より有意に低下する結果となった。【結論】THA 後急性期の4 日間の大腿四頭筋へのEMS は膝伸展筋力と歩行速度の回復および歩行時痛の軽減に有効である可能性が示唆された。

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© 2020 日本理学療法士学会
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