理学療法学
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下肢への電気刺激部位の違いが動脈機能に及ぼす影響
三浦 哉 西村 里奈出口 純次石川 みづき田村 靖明村上 亜弥子
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2022 年 49 巻 5 号 p. 348-353

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抄録

【目的】循環器疾患のリスクを軽減する電気刺激(EMS)を処方する上で,刺激部位に着目し,一過性の下肢への電気刺激部位の違いが動脈機能,特に動脈スティフネスに及ぼす影響を検討した。【方法】被験者は健康な成人男性15名であり,最大耐性の刺激強度,刺激時間は20分間とし,両下肢全体を刺激する下肢全体(L)条件,両側大腿部を刺激する大腿部(T)条件,および両側下腿部を刺激する下腿部(C)条件を設定した。各条件前後には血圧脈波検査装置で上腕~足首間の脈波伝搬速度(以下,baPWV)を測定した。【結果】全ての条件直後でbaPWVに有意に低下し,条件直後のbaPWVは,L条件とT条件との間,L条件とC条件との間にそれぞれ有意な差が認められた。【結論】下腿(C条件),大腿(T条件),下肢全体(L条件)の順に刺激部位が広範囲になるとともに,電気刺激後のbaPWVの低下が著しくなることが示された。

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© 2022 一般社団法人日本理学療法学会連合
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