理学療法学
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研究論文(原著)
回復期脳卒中片麻痺者における歩行補助ロボット使用中の歩行速度の変化とその関連因子
福王寺 敦子 中西 和正萩原 章由松葉 好子前野 豊山本 澄子
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2023 年 50 巻 4 号 p. 113-121

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抄録

【目的】歩行補助ロボットによる歩行練習期間の歩行速度の変化と,歩行速度の変化に関連する因子を重症度別に分析すること。【方法】対象は歩行補助ロボットを使用した歩行練習を2週間実施した回復期脳卒中片麻痺者85名。下肢の麻痺の重症度別に使用前,使用中,使用後の1日あたり歩行速度変化量を比較した。使用中の歩行速度の変化に関連する時間距離因子,股関節屈曲伸展角度と屈曲伸展時間を抽出した。【結果】Brunnstrom recovery stage IVの群のみ使用中の歩行速度変化量が使用前後と比較して増加した。使用中の歩行速度の変化には両側の股関節伸展角度の拡大と麻痺側股関節屈曲時間,非麻痺側股関節伸展時間の短縮が関連していることが示された。【結論】回復期脳卒中片麻痺者における歩行補助ロボットによる歩行練習は麻痺の重症度により使用中の歩行速度の変化が異なることが示された。歩行速度の変化と関連する時間距離因子および関節角度を明らかにした。

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© 2023 一般社団法人日本理学療法学会連合
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