抄録
【目的】本研究目的は,頸椎変性疾患患者に対する,McKenzie法に基づく運動療法の効果およびそれに関連する因子の調査である。【方法】対象は,頸椎変性疾患52例である。McKenzie法のメカニカル評価に従い,症状に改善が得られる運動方向を基にした運動療法を実施した。3 ヵ月後まで頸部自動ROM,NDI,JOACMEQ,VAS,SF-8 を測定し,治療経過の差と経過に関連する因子について解析した。【結果】1 週間後よりROM,VAS,1 ヵ月後よりNDI,身体的健康度の改善が得られた。頸部症状にデスクワーク,頸椎アライメントが関連し,伸展ROMの経過に薬物療法が影響していた。【結論】頸椎変性疾患患者に対して,McKenzie法に基づく運動療法により,1 ヵ月後に,症状,所見,日常生活機能,健康関連QOLの改善が得られる。また不良姿勢が頸部障害の要因の可能性があり,必要に応じて薬物療法を併用することが望ましい。