理学療法学
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背臥位における呼吸介助が局所換気運動に及ぼす影響
高山 雄介野添 匡史松下 和弘高嶋 幸恵間瀬 教史和田 智弘内山 侑紀道免 和久
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論文ID: 11132

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抄録
【目的】背臥位における呼吸介助の圧迫部位の違いがchest wall 各部位の局所換気運動に及ぼす影響について,換気力学的に検討すること。【方法】健常男性7 名(33.3 ± 7.3 歳)を対象に,安静呼吸(以下,安静),上部胸郭介助呼吸(以下,上部介助),下部胸郭介助呼吸(以下,下部介助)における上部胸郭,下部胸郭,腹部の換気運動を3 次元動作解析装置で測定し,同時に胸腔内圧,腹腔内圧も測定した。【結果】上部介助は上部胸郭,下部介助は下部胸郭の換気運動を有意に増加させた。一方,下部介助において,上部胸郭は拡張した。呼吸介助中の胸腔内圧および腹腔内圧は安静に比べ有意に増加し,特に下部介助において腹腔内圧はもっとも高い値を示した。【結論】上部介助,下部介助はそれぞれ圧迫部位の換気運動を増加させるが,下部介助では,上部胸郭は呼気中にもかかわらず拡張しており,介助による腹腔内圧の上昇が原因と考えられた。
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© 2016 公益社団法人 日本理学療法士協会
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