論文ID: 11263
【目的】脳卒中者の歩行能力とバランス構成要素の関係をBalance Evaluation Systems Test(以下,BESTest)を用いて明らかにすることである。【方法】脳卒中者66 名を対象とし,BESTest,Functional Ambulation Category(以下,FAC),Maximum Walking Speed(以下,MWS),Timed Up and Go test(以下,TUG)を後方視的に調査した。偏順位相関にて,BESTest 各セクションと歩行評価指標との相関係数を算出した。【結果】FAC はセクションⅠとⅤのみ,MWS はセクションⅡ以外,TUG はすべてのセクションと有意な相関が認められた。【結論】最大パフォーマンスではなく,日常生活レベルでの指標であるFAC とは多くのバランス構成要素が関連しなかったが,セクションⅠとⅤはどの指標とも関連を認めたため,臨床介入に応用できる可能性が示唆された。